2006年10月30日

上級レッスンにようこそ

上級編では、様々なジャンルとの即興コラボレーションについて書いてます。

即興にもいろいろな形がありますが、私の考える即興演奏についてもう一度確認しましょう。

1.瞬間に行うこと。イメージを思い浮かべ、作曲し、演奏するというプロセスを、瞬間に集中することで同時に行う。

2.前衛的でないこと。
調性やコード感、メロディを持ち続けるわかりやすい音楽であること。たとえばこんな音楽。

3.完全なる即興であること。
一般的には即興といっても、ある程度コード進行やモチーフが定められている場合が少なくないが、「即興ピアノへの道」ではゼロからの完全なる即興演奏を目指す。

4.変化し合うこと。
特に、インプロシアターや他の楽器とのセッションの場では、お互いのイメージや感情、アイディアを受け入れあいながら変化していくことを楽しむ。

上級編では特にこの4つめのトレーニングを主に行っていきます。

ひとりよがりでもなく、
相手にひきずられるでもなく、
ときに自分がリードし、
ときに相手がリードする。
そんなことを繰り返しているうちに、

どっちもリードしていない状態
音楽の神様がリードしている状態


が訪れるはずです。
そこにたどり着く道を楽しんで、そしてそこにたどりついたら、さらに最高の時間を思いっきり楽しんでください。
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2006年08月24日

【即興☆レッスン☆上級1】役者とのセッション(1)変化を受け入れる

私が本格的に即興演奏をはじめたのはインプロシアター(即興劇)ででした。
インプロシアターでは、打ち合わせ、台本がいっさいなく、その日いらしたお客様からタイトルを頂きその場で短い芝居を創ります。
ミュージシャンは、その舞台に即興で音楽をつけていくわけです。
楽器は何でも構わないし、複数のミュージシャンがいても構わないのですが、私の場合はひとりでキーボードやピアノでやる場合がほとんどです。
(インプロについて詳しくはインプロガイドブックを。公演を見てみたい方はNeXT IMPRO THEATREのサイトをご覧下さい。)

さて、そのインプロシアターでの演奏ですが、一番の醍醐味は
「自分が弾きたいように弾く」
のではなく
「役者とやりとりしながら全員で物語を創りあげていく」
ことにあります。

たとえば恋人たちが橋の上で語らっているシーンが舞台上で演じられているとします。
私はラブラブな感じの曲を弾いています。

ところが何かのはずみに男が別れを切り出します。
その瞬間、私の音楽は、短調の悲しみの音楽に変わります。

あるいは橋の下から怪物が現れます。
そうしたら私はおどろおどろしい音楽を弾き始めます。

舞台上のすべてのできごとに瞬間的に対応し、その変化を受け入れ、音楽として表現していくためにはかなりのスキルとそして場数が必要です。

【練習1】
舞台が次のように変化しました。変化の前後の音楽を弾いてみましょう。変化の瞬間が明確にわかるように演奏してください。
(1)一面の花畑で遊ぶ子どもたち→火に囲まれていることに気づく。 
(2)息子の戦死の知らせを受け取って悲嘆にくれる母親→ドアを開けて入ってくる息子。知らせは誤報だった。
(3)宝物を探す旅をしている→ゴールとおぼしきドアを見つけて、開く→宝物は見つからない、しばらく探す→見つけた!


音楽が入るだけで、物語は2倍も3倍も盛り上がり、登場人物の感情も2倍3倍になって観客に伝わっていきます。
その意味で、インプロシアターでの演奏をするミュージシャンは、音楽監督であり、演出家であり、脚本家であるのです。
役者とぴったり息のあった演奏ができたときは非常に気持ちのいいものです。

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2006年07月24日

【即興演奏レッスン上級2】役者とのセッション(2)変化を起こす

インプロシアターでの演奏に慣れてきたら、「変化を受け入れる」だけではなく音楽によってストーリーや役者の感情に「変化を起こす」ことに挑戦してみましょう。

たとえば、私は音楽でこういうことをする事ができます。
・橋の上で男と女が語らっている。このふたりを音楽によって別れさせる。
・大切な友達がさらわれた。悲しんでいる子どもたちを、音楽によって、友達を捜すたびにでかけさせる。
・部屋の中を歩き回っている妻。部屋の隅で大変な物を見つけさせる。

私がこのテクニックを使うのはこんな時です。

・物語が硬直していたり、テンポが悪いなと感じて、物語を動かしたいとき
・役者の感情表現が弱いと感じたとき
・ストーリーの方向性を変えたいとき
・エンディングに持っていきたいとき
もちろん、このテクニックは多用するのは非常に危険です。下手するとミュージシャンのアイディアを押しつけることになります。しかし役者とのやりとりがうまくできてくると、非常に効果的にストーリーを変化させることができるようになります。

では、皆さんもちょっとやってみましょうか。
【練習1】
役者に対して、下記の変化を音楽で起こすとしたら、どう弾きますか。
(1)一面の花畑で遊ぶ子どもたちを仲違いさせる
(2)宝物のある部屋につづくドアをあけるのをためらっている探検隊に、ドアを開けさせる
(3)マラソン大会で競う二人の選手。Aさんを転ばせ、Bさんを優勝させる。

(えーそんなことできるの?)と思われるでしょう?
訓練を積んだインプロの役者となら必ずできます。
ホントです!
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2006年06月24日

【即興演奏レッスン上級3】ボーカリストと即興

ボーカリストとのセッションは、私が一番好きなことです。
ある程度歌い慣れた方となら、最初から驚くような完成度の高い作品が作れます。

【練習1】
(1)あなたは4つの循環コードを弾きます。
たとえばこのように。
C-Am-F-G
ボーカリストは、入れそうなタイミングで入ります。
歌詞は「ラララ」でも「シュビドゥバ」でも何でも構いません。
そのへんにあるCDの歌詞カードを適当に読みながらやってもおもしろいかもしれません。

(2)慣れてきたら、強弱やテンポを自由に変えていきます。
あなたが強くすればボーカルも強く、ボーカルがゆっくりなればあなたもゆっくり...というように、お互いをしっかり感じ取って、常に同じ方向に向かって進んでいくようにします。

(3)5分ぐらいやったら、エンディングに向かいましょう。アイコンタクトをきちんととりあって。

【練習2】
練習1がうまくいったら、コードを自由に変化させます。
ポイントはふたつ。
(1)おたがいに調性をしっかりとキープする。特に、長調か短調かははっきりと。
(2)ボーカリストは、コード展開がうまくつかめなかったら、一拍目を休んで、キーボードの音を聴いてから入るようにすると、音がとりやすい。
では、やってみてください!

【練習3】
サビを繰り返すということをやってみましょう。
自由に歌っているうちに「ここはサビだな!」というところが見つかると思います。
そうしたらそこを繰り返します。
次に他のメロディにいきます。
そして、最後にまたそのサビを再現します。
普通のポップスのように最後にサビを繰り返して終わります。

【練習4】
ふたりが記憶力の天才だったら、
1番をつくり、同じメロディとコードで2番をつくってください。
(私にはまだこれができません...)
posted by 即興演奏 at 10:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 即興演奏上級 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月24日

【即興演奏レッスン上級4】ダンサーとのセッション

ダンサーとのセッションも、役者やボーカリストとのセッションと基本は同じです。
互いに相手の表現をよく見て、変化し、変化させること。
これに尽きます。

技術的には、
・調性を明確にする
・強弱などのバリエーションを持つ
・イメージをしっかり伝える
など、すべて今まで勉強してきたことと共通しています。

以前にはタップの方とこんなショーをやったことがあります。
・観客から感情をひとつ聞く(「悲しい」「喜び」等)。その感情は演奏者とダンサーだけが知らされて、即興でそれを表現する。他の観客はその感情が何かを当てる。
・架空の物語のタイトルを観客に出してもらい、それを数分の作品として完成させる。

いずれの場合も、ダンサーと一緒に表現することでよりイメージがふくらみ、おもしろみのある作品ができました。

【練習1】
自由な即興演奏でダンサーが踊る。
演奏者は踊りを見ないで演奏する。

【練習2】
自由な即興演奏でダンサーが踊る。
演奏者は踊りを見、おたがいに変化し合うように進めていく。

さて、どんな違いがありましたか?
ぜひ、いろいろなジャンルの音楽でやってみてくださいね!
posted by 即興演奏 at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 即興演奏上級 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月24日

【即興演奏レッスン上級5】パーカッションとのセッション

パーカッションとのセッションは、ボーカリストや他の楽器とのセッションにくらべて少し簡単です。
なぜなら、パーカッションにはコードとかメロディとかがないので、「音があたって不協和音になってしまう」恐れがないからです。
その分、より自由にセッションすることができます。
パーカッションをやる人数も複数でも構いません。

【練習1】
ピアノ先行で、下記のタイトルから生まれたイメージでセッションしてみましょう。
(1)春の息吹
(2)サバンナの死闘
(3)アンダルシアの夜

【練習2】
次はパーカッション先行でやってみましょう。
(1)非常線突破
(2)モルジブの夜明け
(3)タケノコ堀り

【練習3】
物語の起承転結を表現してみましょう。ピアノ、パーカッションのどちらから始めても構いません。
(1)平和な田舎町→エイリアン来襲→撃退→と思ったらまた来襲→こんどこそ本当に撃退して平和が訪れる
(2)桃太郎の鬼退治

「ここで鬼退治だ!」と自分が思ったのに、相手がまだキビ団子を食べていてもイライラしてはいけません。
相手にちゃんと「自分はもう鬼ヶ島についちゃっているよ」とよりはっきり伝えること。
反対に相手の「鬼ヶ島についちゃった」という表現を感じ取れずにいつまでもキビ団子を食べていることのないように。

ちなみに「パーカッション」というと大仰ですが、叩くのは鍋でも釜でもいいし、ヒザや手を叩いたりというボディパーカッションでも構わないんですよ。
安くて楽しいのではこんなのがあります。

鈴輪

SOUND EGG

白桜社 カスタネット

フルーツ・ミュージック・シェーカー

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2006年03月24日

【即興演奏レッスン上級6】メロディ楽器とのセッション

メロディ楽器とのセッションは制約が一番多くなります。
つまりコードが合っている必要があるからです。

たとえばCのキー(ハ長調)で行うとして、最初にふたりともCをひくとします。
しかし次に進むコードは
Dmかもしれないし
Emかもしれないし
Fかもしれないし
Gかもしれないし
Amかもしれない。

ひとりがDmを弾き、ひとりがEmを弾いたらぐちゃぐちゃになってしまいます。

ですので、まずどちらか一人が基本となるコード進行を決め、もう一方がそれに乗っていくという形がお勧めです。

【練習1】
ベースと鍵盤の例でやってみましょう。
(1)まず、どちらかが4つぐらいのコード進行とテンポ、リズムを決め、繰り返します。
(2)もう一方がその音を聞き取り、同じコードで演奏します。
(3)慣れてきたらブレイクをいれたり、ソロを入れたりしながら、エンディングもだんだんリタルダンド(テンポを遅く)して作ります。

【練習2】
曲の途中で新しい展開を入れます。
どちらかが展開をかえたな!と思ったら、もう一方は瞬間的に音をキャッチして付いていきます。
そのうち息があってくると、展開をかえたいな!と思う場所が同じになったり、すすみたいコードの方向が読めるようになってくるはずです。
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2006年02月24日

【即興演奏レッスン上級7】ピアノとのセッション

いわゆる連弾ですね。
演奏のポイントはボーカルや他の楽器とのセッションと同じですが、音色が同じ分、音域を意識して広がりを出すことがポイントのひとつになります。
また、両方ともコード楽器ですから、

いまどちらが進行をリードしているのか

を明確に意識していることが成功のポイントです。
練習するときピアノは1台でも2台でもかまいません。

【練習1】
(1)Aさんがコードや展開、テンポをリードします。Bさんは自分からは変化させないで、Aさんの演奏をよくきいて、それに付いていくようにします。
(2)逆をやります。Bさんがリードします。
(3)1曲の中でAさんとBさんが代わる代わるにリードします。

【練習2】
テーマ、モチーフを代わる代わる出現させてみましょう。
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2006年01月24日

【即興演奏レッスン上級8】即興コンサート・楽曲公開

ここまできたら、もう私から教えられることは何もありません。
あとはあなた自身が、あなただけのスタイルの音楽を奏で、伝えていくだけです。
あとはとにかく場数。
・人前で弾く
・レコーディングしてチェック
ことで演奏は飛躍的に上達していくことでしょう。

【即興演奏ライブの例】
ただだらだらと弾いていては、観客も退屈してしまいます。
私はインプロシアターからヒントを得て、たとえば、こんな形で行っています。

■お客様には入場時に小さなカードに自分で考えた曲のタイトルや単語等をご記入いただき、演奏の直前にそこから1枚を選びます。このほかに作って欲しい曲のタイトルや聞きたいジャンルを司会者が直接お聞きする場合もあります。

■演奏される曲の例
●フリーインプロ:
曲のタイトルを提案していただき、そのイメージで演奏。
●二つの言葉:
お客様から複数の言葉を頂き、それを組み合わせたものをタイトルに演奏。例:「馬小屋」と「携帯電話」、「フライパン」と「ビデオテープ」
●ジャンル・ローラー・コースター:
聞いてみたい音楽のジャンルを提案していただき、1曲を様々なジャンルに変化させていきます。
●モチーフちょうだい:
コードや短いメロディを頂き、それをモチーフに1曲を作ります。
●エモーショナル・リプレイ:
「感情」を提案していただき、一つのモチーフをそれぞれの感情でリプレイします。
●タイトル考えて:
お客様からの提案で1曲を作りますが、タイトルはお客様には知らされません。演奏を聴いてイメージを広げ、新しいタイトルをお客様に考えていただきます。
●お客様と連弾:
演奏される全ての楽曲はお客様との共同作業でできあがるものでうsが、その究極の形がこの「お客様と連弾」です。いくつかの鍵盤を指定することで、ピアノの経験のないお客様との演奏でも、毎回驚くような美しい楽曲ができあがります。

【即興演奏を録音して公開する】
最近は簡単に自分の演奏をネット上で公開することができます。
私もこのブログやネットラジオで公開しています。
posted by 即興演奏 at 12:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 即興演奏上級 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする